「ずくめ」の用法~「だらけ」と「まみれ」との違いは?

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今回のテーマ

今回の記事では「ずくめ」の使い方について解説します。合わせて、「ずくめ」と「だらけ」や「まみれ」との違いを検討したいと思います。

「だらけ」と「まみれ」の違いに関してはこちらの記事をご覧ください。
記事へのリンクになっています。

~~だらけは~~まみれなのか?①
~~だらけは~~まみれなのか?②

解説

「ずくめ」の用法



では、「ずくめ」の意味を確認しましょう。

「ずくめ」→名詞および名詞に準じる語句に付いて、その名詞が表すものばかりであることを示す。


「黒ずくめの服」→全身が黒い色の服
「いいことずくめ」→いいことがたくさんある。

「ずくめ」の前にくる名詞は良い意味が多いのですが、黒や良くないことなど、中立的だったり、悪い意味も来ます。特に辞書に制限は書いてありません。

「悪いことずくめ」


「ずくめ」・「だらけ」・「まみれ」の違い

最初の二つの例から、「ずくめ」・「だらけ」・「まみれ」の意味を検討しましょう。

「黒(い色)だらけの服」 
①全身が黒い色の服
②上半身の服、下半身の服、靴、靴下、帽子など、服の各部分に注目して、黒い色、もしくは、黒い色が大きい割合を占めている衣服等を複数着用している。

「黒(い色)まみれの服」
①何かによって黒く着色して服が汚れていると認識している様子。黒っぽい汚れを黒という比喩で表しているとも解釈出来る。

「いいことだらけ」
①「いいことずくめ」と同じ意味。

「いいことまみれ」
①通常の語法では「まみれ」の前には「悪いこと」が来なければならない。しかし、もしこの言葉を発するとしたら以下のような状況である。

発言する本人にとっては悪いことだが、「いいことまみれ」と言われる対象のある他者にとっては「いいこと」であることを示す。すなわち、皮肉の発言やからかいの発言ともいえる。
「この書類の内容は、奴にとっていいことまみれ(=私にとっては悪いことまみれ)だな」のような吐き捨てるような台詞に使えるかもしれません。
この用法は通常ではないですし、文脈が外国人にとっては複雑なので覚えなくていいです。

まとめ

以上、「ずくめ」の解説を「だらけ」、「まみれ」と関連させて行いました。疑問・質問等がございましたら、遠慮なくコメントをください。