会話をスマートにする! 無意味な言葉を削ろう!①

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今回のテーマ

文法的に正しい言い回しであっても、実際に書いたり、話したりすると話の聞き手が受ける印象は変わってくるものです。

そこで今回は余計な言葉を削って文章や会話を簡潔にし、伝わりやすいようにしましょう。

本稿では 、渡辺由佳の 「会話力の基本」( 日本実業出版社より 2011年出版、 )を引用し、原本よりも詳しい解説を行います。

余計な「なんか」を外す。

始めに2つの例文AとBを引用します。

A

友達との会話で、

「なんか暑いよね。なんかプールみたいなとこ、行きたくない?」

渡辺由佳, 2011 「会話力の基本」日本実業出版社 p.14.

B

「すごく暑くなったね。プールにでも行って涼みたいね」


渡辺由佳, 2011 「会話力の基本」日本実業出版社 p.14.

Bの会話文の方が「なんか」を外してスマートになっています。

もちろん、友達との会話であれば、Aのような言い方でも問題は全くありません。

しかし、日本人は会話の冒頭に男女関わらず「なんか」をつけることが多いです。

「なんか」をつけるのをやめると、簡潔な印象をもった会話になります。

言葉の解説

ここでは例文の言葉の解説を行います。

「なんか」

「なんか」は「なんだか(何だか)」の省略形の言葉です。

「なんか」は副詞で、物事がはっきりしない様子や原因・理由などがよくわからない様子を表します

「なんだか機械の調子が悪い。」(=理由はよく分からないけれど機械の調子が悪い。)
「なんだか悲しい気分だ。」(=理由はよく分からないけれど悲しい気分だ。)

引用元の渡辺の本には意味を持たないとは書いてありますが、簡潔な表現には余計な言葉で、意味がないわけではありません。

「みたいな」

「みたいな」の基本形は「みたいだ」です。

「みたいだ」の一つの用法の「例示」の意味です。具体的な例を示します。

しかし、不必要に「みたいだ」を使ったり、多用し過ぎたりすると、聞き手は不快になる場合があります。
なぜなら、聞き手が「みたいな」を多用する人は語彙量が少ないのではないかと考えたり、単純に、「みたいだ」の連発は余計に感じられて耳障りだからです。

また、不必要に「みたいな」を付けて、更に「みたいなー」と長音を付けて伸ばして発音すると不快に感じる人もいます。
これも同じ理由で、不必要な語彙に聞こえて耳障りだからです。

正しい例
「彼みたいな人物になりたい。」
「この物質はゴムみたいに伸びる。」

不快な言い回し(「みたいな」が不必要)
(風邪をひいてて、ドラッグストアでマスクを探している時、店員に場所を聞くとき)
「マスクみたいなものはどこにありますか。」

→探しているのは「マスクみたいなもの」ではなく「マスク」そのものだから「マスクはどこにありますか」と聞けばいいのです。

「とこ」

「ところ(所)」に省略形です。会話では「とこ」が多用されます。

漢字で書かなくてもいいです。

「今、帰ったとこだ。」
「早いとこ片付けよう。」

フォーマルな言い回し

最後に仕事や初対面の人に対しても使えるフォーマルな言い方を挙げます。

「非常に暑くなりましたね。プール等に行って涼みたいですね。」
「大変(に)暑くなりましたね。プール等に行って涼みたいですね。」

さらに堅い言い回しも挙げます!
「非常(大変)に暑くなりましたね。プール等に行って涼を取りたいですね。」

このように「涼む」という表現の言い換えに「涼を取る」という言い方があります。

まとめ

「なんか」、「みたいな」等を外すと、簡潔な言い回しになることがわかりました。

文法はおおよそ分かるという人は、是非上手な言い回しを考えてみてください。