「が」と「は」の使い分け ④ 「太郎は学校に行った。」と「太郎が学校に行った。」の違い。

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今回のテーマ

「が」と「は」の違いは難しいですね。

今回は、「太郎は学校に行った。」と「太郎が学校に行った。」の違いを解説し、その理解を深める目的の記事を短くまとめて書きます。2点に分けて説明します。

今回のメインテーマは2点目です。1点目は前回の復習も兼ねています。


これまでの「は」と「が」に関する解説記事は以下をご覧になってください。

改訂増補版!「は」と「が」の使い分けの方法①
改訂増補版!「は」と「が」の使い分けの方法②
「が」と「は」の使い分け ③ これだけはおぼえて欲しい!



① 事実説明の「は」と選び出されたことを示す「が」

「は」は太郎という人が学校に行ったという事実を説明しているだけです。

「が」は「学校に行く」という行為をすると想定される人が複数居る中で、実際に行ったのが太郎であるという意味です。


この解説は以前の記事が詳しいので、以下のURLを参考にしてください。


改訂増補版!「は」と「が」の使い分けの方法①
「が」と「は」の使い分け ③ これだけはおぼえて欲しい!



②事実説明の「は」と実際の動作を現す「が」

今回の記事の重要な内容はこちらです。


「太郎は学校に行った。」と「太郎が学校に行った。」 を見たとき、①のような意味の場合に加えて、「が」には、「が」に続く、動作や作用を表すことができます。


すなわち、「は」は「太郎」の「学校に行った」という事実を客観的に説明しているということですが、「が」は、「太郎」の「学校に行く」という動作を具体的に示しています。

もう1つ例を挙げましょう。仮に、「犬がは鳴く」と「犬が鳴く」という文章だけがあったとしましょう。

「犬は鳴く。」→「生物としての犬は鳴くという性質がある」という意味、「犬が鳴いているという事実」を示している。

「犬が鳴く。」→現在、実際に犬が「鳴く」という動作・行為をしていることを示す。


皆さんは、「犬は鳴く」を見たときは、生物科目の教科書にある文章を頭の中に思い出してください。
犬の特徴の説明には「犬は鳴く」と書いてあるはずです。


逆に、「犬が鳴く」を見たときは、頭の中で実際に犬が鳴いたり、吠えたりしている様子を思い浮かべてください。

この説明よりも更に詳細な説明を見たい場合は、こちら記事をご覧になってください。

改訂増補版!「は」と「が」の使い分けの方法②



①と②の違いは

「選び出されたことを示す」①の「が」と、②の「が」の違いについて検証します。

結果を先に言うと、以下の3点にまとめられます。


①前者は、選び出された物・人の行為や状態の事実説明です。

②後者は、実際に「学校に行く」という太郎の実際の動作・作用を表します。

③ ①と②の混合的意味。すなわち、選び出された物や人の実際の動作・作用を表します。


①②③の見分け方は、最終的に文脈に依存します。←ここは重要です!


まとめ

「は」は事実の説明、定義、客観的表現であり、「が」にも選ばれたものに対する説明的要素があります。


「が」には、加えて、目の前で起きているような実際の動作を表現することができる用法があります。

大きく分けて③通りあり、見分け方は文脈によります。

皆さんが読んだ文章の中で、「が」と「は」の違いが分からない場合は、ぜひ、連絡してください。