改訂増補版!「は」と「が」の使い分けの方法②

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今回のテーマ

前回の記事(改訂増補版!「は」と「が」の使い分けの方法①) において、「は」と「が」の使い分けの大きなポイントについて、特に「が」に焦点を当てて解説しました。

今回は、主に「は」に焦点を当てた解説をしたいと思います。


「は」の用法のまとめ

事実に着目する「は」 、実際の動きに注目する「が」

以下の例文で「は」と「が」の違いについて解説します。

「私は昨日大学へ行きました。」
「私が昨日大学へ行きました。」

第一回目の記事で説明したように、「が」は複数候補がある中で1つを選び出す用法です。「は」は1つの事項に関して述べます。



この説明以外にも、「は」の文章は事実に焦点を当てていて、「が」は実際の行動に着目していると言えます。

上の二つの例文で「は」を使っている方は、「昨日大学に行った」という事実に着目した文章で、単なる主題(テーマ)ともいえます。

一方、「が」の方「私という人間」が「昨日大学に行った」という「私」の実際の「動き」や「状態」に着目しているといえるでしょう。


特定のものを表す「は」と対比を表す「は」

「は」の基本的用法は、特定の1つのものを表すことです。そこから派生し、対比を表す「は」の用法があります。

特定のものを表す「は」は、これまで書いた例文に当たります。
実は、「は」を「が」や「を」に置き換えられる場合、特定のものを表す「は」と言えます。

「を」と入れ替えられる場合は意味は変わりません。
しかし、「が」と入れ替える場合は意味が変わります!この入れ替えは、「は」の用法を識別するためだけのものであって、文章の意味が変わらないということを意味していません。


「この問題は易しいです。」(「が」と入れ替え可能)

「彼は校長です。」 (「が」と入れ替え可能)

「宿題はもう済ませました。」(「を」と入れ替え可能)

「酒はやめました」 (「を」と入れ替え可能)

引き続き、対比を表す「は」について説明します。(実は、こちらも「が」と入れ替え可能なのです。したがって、特定のものを表す「は」の派生だといえます。)


同様に、「が」と入れ替える場合は意味が変わります!この入れ替えは、「は」の用法を識別するためだけのものであって、文章の意味が変わらないということを意味していません。


(留学生紹介の場面で) 「インドネシア人は3人、ベトナム人は5人、タイ人は4人が来日しました。」

「こちらに忘れ物の傘と鞄はありますか。」「傘はありますが、鞄はありません。」

「雪は解けて、春は来たようですが、気温は暖かくなりません。」

「書類は完成しましたか。」「必要事項は書きましたが、まだ印刷はしていません。」 (「を」と入れ替え可能)


まとめ

第二回では、「は」の用法について特に詳しくまとめました。

また、こちらの東京外国語大学のウェブサイトの説明も参考になります。是非ご覧ください。


http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/ja/gmod/courses/c01/lesson14/step4/explanation/095.html